モリアオガエル
Zhangixalus arboreus
Zhangixalus arboreus
学名:Zhangixalus arboreus(ザンキシャラス アルボレアス)
英語名:Forest Green Tree Frog(フォレスト グリーン ツリー フロッグ)
日本固有種
分布:本州、佐渡島にみられ、伊豆大島にも移入しています。平地から山地の水田や池、沼に生息しており、標高2,000m以上の森林付近でもみられます。
体の大きさや特徴:大人になると体長は4cmから8cmほどの大きさになり、メスはオスよりも大きくなります。
体の色や模様は、下記のような特徴をもち、特徴の組み合わせは様々で、個体によって見た目が変わります。
背中の色…黄緑色や緑色、暗褐色など
背中の模様…黒く縁取られた赤褐色の斑紋の有無、黒い斑紋の大きさの違いや有無
お腹…全体は白色、灰褐色の小さなまだら模様の有無
体の色や模様以外にも、モリアオガエルは様々な特徴を持っています。
背中の形状: 鮫肌状で触るとザラザラしており、細かい顆粒におおわれいて、その頂点は白くたっています。
目: 若いカエルの虹彩の色は黄色ですが、大人になると赤みを帯びた黄色、もしくは赤色に変化します。
脚: 木に登る習性があるため大きく発達した吸盤を持っています。
顔: 鼻先は尖り気味で、鼓膜(こまく)は色は周りと同じ色をしていますが、はっきりとしていて場所がわかりやすいです。
鳴き声: メスは鳴かず、オスは繁殖期に喉もとにある鳴のうを膨らませて、カララ、コロコロ、クルルと鳴きます。
生活スタイル: ほとんど樹の上で生活し、主に昆虫やクモを食べて暮らしています。
その他: おたまじゃくしからカエルになってすぐはお腹の皮膚が透けていて、内臓が見えます。
毎年4月から7月の間に、池や沼の上に張り出した木の枝や葉っぱ、水田の周りに生えている雑草や水田近くの地上で繁殖が行われます。1匹のメスに何匹ものオスが抱きつき、卵を産みながら、10cmほどの大きさを持つ白い泡状の卵塊を作ります。この卵塊は2時間ほどで作られ、出来上がってすぐはメレンゲ状でしっとりとしていますが、時間が経つにつれて表面が乾燥し、色は茶褐色に変化していきます。卵からふ化したおたまじゃくしは、卵塊からそのまま地上に落ち、落ちた水の中で生活をします。
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日本に生息している他のアオガエルとの違いは?
モリアオガエルの他に、日本にはシュレーゲルアオガエル、アマミアオガエル、ヤエヤマアオガエル、オキナワアオガエルが生息しており、両生類研究センターではオキナワアオガエル以外の4種のアオガエルを保存しています。
ここでは、オキナワアオガエル以外の3種との共通点と違いをご紹介します。
4種のアオガエルは、繁殖時にクリーム状の卵塊を生むこと、鼓膜が明瞭であること、また、オスだけが鳴のうをもち鳴くこと、メスの方が大きいことが共通しています。
それぞれの特徴は、以下のようなものがあります。
モリアオガエル
生息地: 本州
目(虹彩)の色: 赤色、もしくは赤みを帯びた黄色
背中: 背中は鮫肌状でザラザラとしていて顆粒をもっており、暗色の斑紋をもつ個体もいます。
お腹: 白く、灰褐色のまだら模様や小さな斑点をもつ個体もいます。
肢: 指先の吸盤が大きい。
鳴のう: 白。小さな斑点を持つ個体もいます。
シュレーゲルアオガエル
生息地: 本州、四国、九州
目(虹彩)の色: 黄色
背中: なめらかで、暗褐色や濃い緑色で、個体によって黄色い斑紋をもちます。
お腹: 白く、灰褐色の小さな斑点をもつ個体もいます。
肢: モリアオガエルよりも全体的に肢が細く、吸盤も小さいです。
鳴のう: 薄い墨色
アマミアオガエル
生息地: 鹿児島県奄美大島、徳之島
目(虹彩)の色: 緑色
背中: 顆粒をもち、暗褐色や明るい緑色をしています。
お腹: 白っぽい色をしています。
肢: 指先の吸盤は大きめです。
鳴のう: 薄い墨色
ヤエヤマアオガエル
生息地: 沖縄県石垣島、西表島
目(虹彩)の色: 薄い赤色
背中: なめらかで、明るい緑色や黄緑色をしています。
お腹: 白っぽい色、もしくは明るい黄色
肢: 指先の吸盤は大きめです。
鳴のう: 薄い墨色